テキスト1998
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桃松花型種挿副流し花器灰白色利深鉢梅の季節が終って、桃の枝をいけていると、何となくのんびり育った若い女性のような感じがする。桃とくらべると梅の枝は手触りも固く枝の線が鋭く交差する。梅はいけ終るまで息が抜けないが桃は適当な聞をおいていけられるような花である。現在の暦の三月三日の雛祭りに合わせて売り出される桃はけ十咲種の花桃で、いわば特殊な品種でもある。庭木や果樹としての桃は、もっと気候が暖かくなって春践の棚引く三月の末頃様々な種類の花が咲く。まだ厳しい寒さの残る口に、上品な香気を漂わせながら咲いている梅の燦然とした姿とは対称的な、暖かくやわらかな春の日射しを、つけて、丘の中腹にふんわりとひろがる桃の林の色も大きくいけてみたいテlマの一つである。ひE9 月同

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