テキスト1998
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いるようである。作例に使った花器は先年カイロの旧市街で買ったものの一つである。しん銅で花瓶の形を作った上に銀と真鎗で文様を埋めこんであるのだが、店に並べられているときは銅や銀の色がくすんで汚い花瓶だったが持って帰って磨いてみると銅の地色の上に銀色と金色の模様が締麗に浮かび上がって成程こうい、?ものだったのかということがよくわかった。そして磨いて光らせてみるとオンシジュlムのような華やいだ花とよく令つ花器である。ピカピカした銅の花瓶とオンシジには少し色を押さえられるようなパイン・コーンの茶色がいい。そしてミリオクラダスで足もとの隙聞を埋めている。続けて三作明かるく陰のない花を見てきたが、日本の四季に合わない花が使われている。だが考、えてみれば日本から地球の裏側へ半日で行ける現代である。北半球の冬の日に半日で南半球の夏の花を見ることができるのだから花の来歴を知って小雪のちらつく京都で夏の国の自然をいけて不思議はないのである。花材オンシジュlムパインコーンミリオクラダス真鎗針金(4凹)花器エジプト民芸金属器ュlムの真昼のように明かるい黄色11

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