テキスト1998
138/143

ドしsrc錦木紅葉淡紅色小菊花型行の草型・二種挿花器胡麻竹す筒初代冨春軒は立花の花型を真・行・草の三型に分け、更に真の真、真の行、真の草というように、それぞれ三通りに細分して九花型とした。生花の花型もそれに準じて九花型としている。そして作例は行の花型としての基本的な構成は守りながら錦木の持味をできるだけ自然なままに生かした一瓶である。生花の花型は、真・副・留、或は序・破・急、天・人・地と名称は異ってもその三枝で構成されていることはどの流派でも変りはない。この三主枝の構成でどんな草木でもその出生に従ったいけばなができるというのは世界のどの文化も思いつかなかったユニークな発想である。向いている。その三主枝の構成に色々な補助枝が加わって厚みが作られたり、のびやかさが表現されたりして、いけようとする草木の自然の件いが納得のできる形に写しとられる。この錦木について説明すると、枝物花材として錦木は行と草の花型に一本の太枝は所々で別かれて、そこから短かい小枝が出た細い小枝に葉がついている。様や赤芽柳だと、一本一本がほぼ直線状で大して癖はないので行の真の花型におさめると端正な姿におさまる。だが錦木をそんな花型にいけると持味を殺さなければならなくなってしまう。従って錦木は作例のように、行の花型でもラフな行の草型か、或はもっと形を自由にした草の花型にいけて、その美しい色の紅亨乞眺めたい。留には今秋の台風で倒されて曲がった小菊を使った。茎が細いのでこれぐらいの長さに使うのが限度だが、茎の太い中輪菊で腰の曲がったのがあればもっと伸ばして留流しにいけることができる。花型真の草型〈7頁右の花〉花器標色粕深鉢四季咲き種の杜著といっても真冬には余程温い水が流れこんでいる地でないと花は咲かないようである。長い観察の歴史を重ねてきた生花には冬期の匙右の扱いには一応の出生の姿がきめられているが、要はそれらしい季節感ゲ乞作り出すことである。作例は秋咲きの社若の実が初冬まで残って、その下に小春日和の暖初冬の杜若6

元のページ  ../index.html#138

このブックを見る