テキスト1997
95/155

第三種郵便物認可桑原専慶流いけばなテキスト棚号1997年7月1日発行(毎月1岡1日発行)桑原専慶流家元発行定価五OO円竹島百合花型行型花器灰色彩花瓶竹島百合は日本海の欝陵島の竹島が原産地で、日本には四世紀のはじめに渡来おおし〈てるまいゆりる。別名を大車百合というが、これは葉が車輪の輔のように輪生しているところからつけられた名称である。そして出生に従って、輪生した葉の形を見せるようにいける。ウィルスにも強く栽培しやすい百合なので、以前は七月になると大量に出まわっていたが、最近は輸入種の百合に押されて花屋の店で季節になってもあまり大きな場をしめていないようである。だが季節がめぐってこないと見られない和種の百合はいいものである。竹島百合は輸入品種のル・レlブやマルコ・ポlロより美しくないかもしれない。だが私達と同じ季節を歩調を合わせて生きてきた花である。そう思うと七月には必ずいけたい百合である。もうすぐ為朝百合や鹿の子百合も咲き始める。祇園嚇子と為朝百合という美しい風物はいつまでも続いてほしい。

元のページ  ../index.html#95

このブックを見る