テキスト1997
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どうだん〈〈かまど床の間側向う掛いない。家の中では一番輩払張った床の間だが、作り過ぎたところがないので上品な感じのする板床である。面した六畳で掘矩爆を設ら、えた居間今月は富田渓仙の青々とした岸辺の大木の向こ、2乞行く帆掛舟の絵に合わせて満天星と百合二色をいけてみた。この床の間は板床だが本床の型式に合わせて作られているので色々な大きさの花がいけられる。ここにいけた花で私の好きなのは、「花ふたり」の三月の頁に雛人形を飾って桃と麦をとり合わせた素子の雛祭りの花である。華美に流れることなく上品なお雛様の表情を、2手くとらえた一作だった。どうだん花材百合二種満天星掛軸包囲渓仙床の間の正面の中程に折釘に花器を掛けるのを向、っ掛とよんでいる。私の家では仕事柄、床の間に掛軸を吊るさずに花をいけることがよくある。床の間の壁面ははm四方あるのでその壁而一杯に絵を描くようなつもりでかなり大きく花をいけることもできる。例えばこのクレマチスの掛け花でキウイの実付の蔓ととり合わせ、花器も大きいものに替えれば壁面の半花器淡一青色紬花瓶4頁の悲分を覆、っ掛花になる。この部屋は一階の奥の間で中庭に風の一室なので、床の間には洋画をかけたり好きなような飾りつけをして使っている。右横の違い棚にはトルコで買ってきた路舵の人形や、ニュlオlリンズのマルディグラの仮面を飾ったりして和風の家の中で、この部屋だけは少し趣きを変えている。花材クレマチス二色花器白竹亀もともと階下の中の間だったこの六畳の聞は、通り庭の竃や流しを取り壊して内玄関にしてしまったのでここが玄関の一部になってしまっている。広い内玄関だが何かの集まりのあるときは、日mほどあるこの部屋の上がり権一杯に履物が並ぶ。そういう部屋なので、このサイド一日中古…灯している。ここは家の中のターミナルのような部屋なので、戸をあけたとき吹き風で倒れたり、通りがかりに引っかかったりす’る花はいけないように配慮している。花材ゼラニューム白花海モンステラ花器カットグラス花瓶ポlドに花をいけて電気スタンドも5頁の花ν5

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