テキスト1997
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か3みは冬は立春で終るが、各李の最後の十八日間を土用と云っている。今年の立秋は八月七日なので七月二十Hから八月六日までが夏の土用になる。丁昨界梅雨も明けて一年中で最も暑い季節である。此頃あまり見かけなくなったが、からっと晴れた日に虫干し、土用干しとも云った。梅雨時に湿気た衣類や書画を口に干して風を通して虫がついたり徹が生えるのを防いだりしたのも年中行事の一つだった。日頃使っていない物が出てきて、家にこんなものもあったのかと、お祖父さんやお祖母さんの想い出話になって、十日い事を子供達に聞かせる良い機会でもあった。昔、墓尽の祖父の家の虫干しで出て来た浴衣を庇ったことがある。しっかりした少し厚手の木綿で、右肩にω佃ほどの満月が白く抜かれていて、胸のF辺りから裾にかけて茶室風な−一家に秋草があしらわれていた。日本橋の魚沼芹に店を構えていた曾祖父が明治初期に作らせて愛用していた浴衣の一枚だったのだが日を陛る程派手で男らしい柄だった。大学時代、三枚残っていたそんな浴衣を着せてもらって夏のタ万父とらしぶりを話し合った想い出も土用になると匙ってくる。ピlルを飲みながら昔の江戸人の暮土用春は立夏、夏は立秋、秋は立冬、2

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