テキスト1997
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スカビオiサとエウリオプス・スカピオlサは西洋松虫草、エウリオ−プス・ペクティナトウスは白妙菊に似た菊科の草花でアフリカが原産地である。日本でも鉢植で売られているが、草丈はお仰ぐらいで開花一輪に奮がペクティナトゥス花型行型二種挿花器淡青色ガラス水盤しているものは卯仰ぐらいの高さにのびているそうである。スカビオーサはフラワー−デザインによく使われるので一年中売られている。弱々しそうに見える花だが水揚げがよいので、この作例の二種挿も水切りしただけで一週間近くあまり変色しないでもっていた。的な草花の生花によい花材である。3i4個ついている。原産地で野生初歩てきたのである。いけばなは勿論自分の足で自然を求めて歩き、向分の目で見た草木の姿の真髄をいけてみようとすることなのだが、例えば常照皇守の九重桜を見て、これこそ意中の桜と思っても切り倒していけさせてもらうわけにはいかない。同じような感じの桜を自分の足で探そうと思ってもそう簡単に見付かるものではない。そこで花屋が大切な存在として浮かび上がってくるのである。京都には代を重ねた本筋の玄人の花屋が数は少なくなっても健在である。そういった人達は私達と同じ京都という土地の文化の中で代々暮らして来ているので私達の求めるものを自然に理解している。手本になっているのは共に京都の周囲の自然であり、名閣の植物、画中の梅や松なのである。そういった共通の地盤があってこそ京都の花屋が手を拡げれば、束北地方で京都の桜を見付けることも可能であり、私達も常照皇寺で見た九重桜のどこかを自分の縦として表現することもできるのである。もし京都の花道家の花材にどこか良さがあるとすれば、花道家と花屋が同じ文化の中で手を携えて来た歴史があるからと云えると思う。そしていけばなも自分一人で成長を遂げたものではないのである。7

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