テキスト1997
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I「実痩紅花型副流し花器白竹鶴首花活け木の葉も散って、裸木の梢が北風に吹き晒される音を聞くと、も、っ今年も冬になったのだなと空を見上げ何となく納得してしまっ。そんな初冬の日に小春日和が三日程続くと必ずと一ぶっていいほど、新聞に時ならぬ棲が咲いたと云う記事が山る。返り咲きの場合もあるが、ごく僅かだが十月に咲く品種もある。作例に使ったのはいけばなの方では寒桜とよんでいるが、本当の寒桜は作例とは異った品種らしい。おそらく返り咲きしやすい桜を選んで切枝を加温開花させたものだろう。だがその姿は落葉樹の初冬の姿らしく枯々としている。散り残った葉がついていることもあるし、温められたときにふき出た緑の小葉がついていることもある。ひっそりした感じにいけ上げたい。_>---菊6

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