テキスト1997
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ゃくド(蜜吸)やサン・パlド(太陽鳥)みつすいたいよヤマモガシ科ミメテス属の植物は南アフリカ南西部のみに見られ独特の美しさをもっている。ここに使ったミメテスは赤と黄の小花が枝先に房状に集まり、カラフルなボトルブラシのように見える低木である。それぞれの小花は先の尖った黄色の花被片が数本の赤くて長い花柱をきゅっと包んだ姿をしている。花被片は同じヤマモガシ科で近縁のプロテア属のように堅くなく、薄くて柔らかい。幾つかの小花からは白い毛の生えた約が顔を出している。ミメテスの故郷は極端に貧栄養な土壌の乾燥地帯で、シュガー・バlによって授粉し、その実は地面に落ちたあと蟻によって地中へ運ばれて、山火事の後でのみ発芽する。ミメテスの柔らかな明るさには厳しい環境の中でも鳥たちを優しく誘う陽気さを感じるが、勝燭の枯枝を合わせると生命感がより際立って本来の美しさを見せてくれる。花器の口元から低ミ前へ出しているのは熱帯アメリカ原産の菊科のアゲラタムで、前に似た淡赤紫色の小花がこんもり集まって咲く。ミメテスもアゲラタムも見た目より丈夫で、長く楽しめるのが嬉しい。花材ミメテス興関枯枝アゲラタム花器黒首段形花瓶ミメテス和則4

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