テキスト1997
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第三極郵便物認可桑原専問底流いけばなテキスト制号1997年日月1日発行(毎月1図1日発行)桑原市守山底流家元発行定価五OO円白菊厚咲きの白菊はマッス状にしていけると洋花ともよく合、っ。カーネーションもよくマッス状に使われるが、白菊とくらべると、ただ白い花のかたまりとしか感じられない存在感の弱さがある。例えばこの胡蝶蘭と白菊のと均合わせを、胡蝶蘭とカーネーションに変えてみた感じを想像してみると、多分配色の美しさに変りはないとしても、どこか訴えかけてくる力が弱いのではないだろうか。現在白菊や黄菊はお警入の花みたいに思われて、一般的な評価はやや低落気味だが、野生種から園芸化されて行く長い年月の問に菊の好きな人、そして飽きずに育て続ける人の想いがこめられて名品とされる高貴な品種が少しづっ生まれてきた。量産され、大量に葬儀に使われている菊にもそんな血が流れている筈である。又人生の最後を飾る花として白菊で悪い訳がない。菊に対してそう感じているが、ただ季節だけは選んでいけたい。作例はありふれた形の菊かもしれないが、上品で華麗なピンクの胡蝶蘭に対して、ひけ差とらない白菊。いけているうちに、そんなことを感じた投入である。花材白菊胡蝶蘭花器一青磁花瓶

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