テキスト1997
136/155

キング・プロテアヤマモガシ科プロテア属の仲間は世界で百十四種が知られていて、そのうち八十二種が南アフリカにあり、その六十九種までがケlプ地方に集まっている。南アフリカの国花であるキング・プロテアをはじめ、クイーン・プロテア、プリンセス・プロテアなど、花の印象から呼び分けられているが、この仲間の花が様々な形をしているところから、生物学者カlル・リンネによって、ギリシャ神話に登場する変幻自在の海神プロテウスの名になぞらえて命名された。固い花弁は花の蜜を吸いにくるオナガミツスイとい、?小鳥の足場になり、やがて乾燥した花はこの鳥の巣の材料とされるので種子も共に運ばれることになる。およそ二百六十年前に海神の名を与えられたプロテアは、日本での栽培が難しく、現在も海を渡ってやってくる。キング・プロテアの隣でヨーロッパ赤松から顔を覗かせているテロペアもヤマモガシ科だがオーストラリア南東部原産である。原地で赤い花の木(ワラタ)と呼ばれるテロペアも輸入に頼っている。強い印象の中に.の自然の表情を感じとりたい。花材キング・プロテアテロペア・スペキオシッシマヨーロッパ赤松(寿松)花器緑色利花瓶和則4

元のページ  ../index.html#136

このブックを見る