テキスト1997
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赤い実作秋に実が色付くという一五い方は、赤くなることを意味しているようである。或はそういう場合が多い。赤くなるのは烏や他の動物をよびよせて極の紡布を広範囲にさせるための植物の知恵だと考えられているが、それなら黒く色付く実は何を考えてそうなるのかわからなかった。ところが、先日ビート・たけしの科学番組で、鳥や昆虫は人聞が知覚しない紫外線の光を、つけて反射する色も知覚できるので、鳥や昆虫の見ている花の色と、人聞の見ている花の色は全く違うのだと、実例を見せて解説していた。赤い実は彼等には一体どんな色に見えているのだろう。番組では赤い実に紫外線があたるとどんな色に見えるのかまで説明してくれなかったが、視覚だけでなく、唄覚まで人間より桁違いに鋭い彼等は他にも何か植物が発している信号のようなものまで感じとって、自分の食物を見付けているのではないのだろうか。植物と動物は共存共栄しているというのが一般的な認識だが、先日の放送では植物が動物を恐しくなるほど利用しているように話題を作っていた。かなり行き過ぎた感じを受け植物と人間との関係には不明な部分がまだまだ多い。というよりもわからない部分の方が大きいのである。バイオテクノロジーも発達して花10

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