テキスト1996
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飾った場所の条件や来客があるといったとき何かつけ加えた方がよさそうに思うことがある。その一例として身近なものを選んでそえてみた。〈4頁の花〉花材グリーンカラーミニ静破花器白磁サラダボウル表紙から4頁まで、かなりデコレイティブないけばなが続いた。だがすべて出生の自然を完全に無視した作例はない。デコレイティブな配色の美しきをねらうと、どうしても花の自然な形を無視しがちになるのだが、いけばなを長い間続けているとそうはなりきれないものである。ミニ蓄蔽がグリーンカラーの立ち上がりを鮮やかにひき立てている。花材裏自の木(別名|京都で山やま梨、他に銀葉)鹿の千百An(洋種)花器染付八角花瓶別にデコレイティブという傾向の投入ではないが美しい。ただ季節を率直に捉えただけのことである。百合は洋種だが親は日本の鹿の子百合なのだから日本の初夏によく合っている。裏自の木も気取らず、幹からこう出ていたと思う角度でまとめた。デコレイティプであってもありのままに余分は足さず〈5頁の花〉r,L5

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