テキスト1996
49/140

第三種郵便物認可桑原専慶流いけばなテキスト制号1996年4月1日発行(毎月1回1日発行)桑原専慶流家元発行雪柳蕎被花型二定価五OO円種挿副流し花器白色粕水盤たとえ京都のような市街地でも、戸外で自然の風にゆれ乍ら育った雪柳は花が枝先まで咲き満ちていて豊かな感じで春を詠い上げているように見、える。年の暮に加温して無理に花を咲かせた雪柳は花のつき方もわびしくて、いけていても痛々しい。この生花で副に使った枝はすんなり育った若枝で、弾みのある曲線が維の尾羽のようにしなやかである。いけばな展にも時々雪柳を使っているが、そんな場合は花屋で日m以上の長さの雪柳の中からまず撲めないでも真と副に合わせてみてぴったり添う枝を選び出し、その二本に合わせて胴、副の沈み、真囲、見越の枝を少し余分を見て選び出す。雪柳のように携めの自由のきかない花材は無理をしないでいけ上げられる枝を選ぶ予」とが肝要である。

元のページ  ../index.html#49

このブックを見る