テキスト1996
48/140

萌え上がる花材アルストロエメリア雪柳花器淡青緑色紬細口花瓶萌える、という形容は植物の新芽が焔が舞い上がるように伸び上がって行く感じをよく云い表わしている。普通、若葉が萌え出るというように使っているが、萌え上がる、と書いてみると、この作例のアルストロエメリアの立ち上がりの感じになるのではないだろうか。棚引くようにいけられた雪柳の上に軽やかに伸び上がっている。使った花器の直径はμ仰ぐらいだが上部が一屑平で中央に直径お叩ほどの口があけられている。花器のヴォリュiムに花の量を合わせようとすると、花の本数は口一杯になってしまうが、韮四被や菊のような葉の花材では花器の上面の色や形を隠してしまうことになる。軸が細い花材をとり合わせて作例のような花型がこの花器に合いそうである。11

元のページ  ../index.html#48

このブックを見る