テキスト1996
24/140

蝋梅(素心蝋梅)老l年とった梅として老梅、花型草型留流し花器胡麻竹三つ窓筒片仮名でロウバイと書かれても、この花の名前の怠味は多分通じないだろう。梅に似た花としてパイは大概の人は梅と思うだろうが、ロウの万は梅の上につけておかしくない字が、機ー高い建物の横によく植えられ院l甘踊省の古い国名だが隣の地臨lおぼろな、という意味だが花ていた花木として楼梅。現!玉に似た美しい石のような花弁に例えて浪梅でもおかしくなさそつである。方の梅として臨時梅とも書ける。弁は半透明なのでそこから命名されたと誤解できる。右に引用したロウの字はいずれも間違いなのだがそれぞれ宛てても変に思えない。正しくは蝋梅、又は臓梅なのだが、蝋は花弁が半透明で蝋ろ之、燭そ〈の蝋のようなのでこの字が使われた。臓は旧暦の十二月の意味で十二月に降る雪を蝋雪、十二月を蟻月、対時日は臓日とよぶ。蝋梅、蝋梅が正式な花名なのだが花の色を形容した蝋梅よりも、十二月に咲く花として季節感をこめて蝋梅と書く方が私は好んでいる。蝋梅は花の形が梅に似ているが、葦微科桜属の梅とは別科別属の臓梅科の落葉低木で、原産地は中国の掲子江流域で日本には江戸時代の中頃渡来した。その後日本でも園芸品種が色々作られたが、作例に用いたのはその一品種の素心蝋梅である。本来の臓梅は外花被片が黄色、内花被片が暗紫色だが、索心臓梅は内花被片も外花被片も黄色いのでいけたときの色上がりが良い。枝振りは梅とくらべると屈曲が少なく単調なので生花に用いる場合、少し太い枝から不定形にのび出た細枝を利用して調子をつけたい。作例では副の出口になっている点線で囲んだ部分にーでから日でぐらいの太さの校が三本出ていたのだが、それを切り落として留に使った。切口をそのまま残しているのでどの枝を落としたのかわかると思う。兵は本来ならこの部分から作例の真の校先に向かって伸び上がらせるところだが草の花引としての見所を作るためこのような変則的な枝使いをしている。変調な枝振りが少なく、境めると折れやすい臓梅をそのまま正直にいけると卸抑制や叫誌やの若枝を初歩的な行の花型にしたのと区別のないような生花になってしまう。蝋梅の生花は枝どりの工夫で、その良さをひき出したい花材なのである。その場合、花型の大きさにこだわらず単純な構成でかまわないから使いたい枝を充分生かすことである。8

元のページ  ../index.html#24

このブックを見る