テキスト1996
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出くわすことがある。それは説明過剰で、いけられた花のことを多少でも知っていれば心の中でそのいけばなに咋をそえてみる方が深く情趣を感じることができるのである。生花では枝垂柳が風に吹かれているように斜に撰めるいけ方もあるが、私はただ枝振りのまま垂直に枝先を垂れ下げるだけで風に揺れる姿は怨像で楽しんでいる。私は京都に住んでいるので、その周囲の様々な四季を感じとって花をいけているが、日本は植物に恵まれた風tである。どこに住んでいても恥達が生きていることの再びを知らせてくれる向然がすぐそばで払働いているのである。その息吹き会』身近に感じとろうとするのがいけばななのだと思う。〈表紙の花〉花材チューリップ花保ガラス鉢とガラス深皿チューリップやスイートピーは、明るく日のさしこんで暖かな部屋の大きな窓辺にいけたい。外は前夜の氷がまだとけていないような日は家の一部屋をそんな午仲間気に作っておきたい。思いきり暖かく明るくしたいなら、チューリップはオレンジ色がかった朱色、オレンジ色、黄色、白、柔ら窓辺に明るくスイートピーかで淡い色のピンクなどをいけ合わせ、スイートピーをそえて足もとをまとめればよい。緑はチューリップの葉だけで充分足りる。少し色を静かにおさえたいならチューリップは紫、紫がかった淡いピンクに白をまじえスイートピーは濃い紫と白をそえる。花器は青系統が良いだろう。花材パフィオペディルム仏手術石楠花の葉花器銅に銀の都似深鉢青磁陶板ねずみの伏見人形パフィオペディルム属の刷は花の属)と同じような袋状になっているのでよく混同されるが、バフィオペディルムは葉が常緑性の少し厚みのある革質葉で印度やニューギニア等熱情が原産地である。バフィオペディルムという属名は女神のスリッパという意味でこの花の唇弁の形にちなんで名付けられたのだそうである。花村として使う場合、花茎の全長を使ってもせいぜいおでぐらいのものなので、その高さを充分考慮に入れてとり合わせと花型を考えなければならない。パフィオペデイルムについてun弁がシプリベディウム属(技あっ盛ιリ草〈2頁の花〉3

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