テキスト1996
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・haHAふめヲ。ふめヲ。。に細心の注立を払いながら良い形にいけ上げるのは大変難かしいことでだがうまくバランスがとれて花席におさまったときの姿はいいものである。だがこの一凡安定しているように比える立花の物理的なバランスは大変崩れやすいのである。おそらく長い流枝の校先に小さな蜜柑を一例ぶら下げただけで倒れてしま、つだろ、っ。南部の服地の山で紅葉したものだろギリギーのところで安定を保っているところが見る者の気をそそるので2頁の桔を使った投入も微妙なところでバランスを仰っている。ここで思い出してほしいのは小学校か中学校の物理の時間に習った挺子の原理である。もし左に長くのばした枝先に棺の実が一例ついているとすれば、右に出たその半分の長さの枝には、同じくらいの重さの燈を二個っけなければ安定しない。それで物理的にも安定し、視覚的にも良い形に見、えるのである。花村七竃紅葉花器瑠璃色刷水盤花材七竃紅葉ヒ志の紅葉とも百合③〈3頁の花〉③〈4頁の花〉白百合(白妙)鉄砲宵ムロ作菊。秋までの聞に色々な百合が咲いて季花器白峰筒形花瓶印朕と鉄砲百合、二種の白百合にそれぞれ七竃の紅葉をとりあわせてみた。二作とも十一月の半ば過ぎにいけたのだが、北の万から色付いて行く綿荒性の紅葉樹も、その頃になるともう殆ど散り終る。作例に使った七竃はおそらく九州う。木肌はなめらかで枝ぷりはすんなりしていて、葉は大きくて艶やかである。③に使った百合は、北海道で栽培された白帆という品種で、オランダ産のカサプランカより花は少し小さいが、茎がしっかりしていて、上向きか横向きに咲いてくれているのでいけばなとしての姿はすぐれている。百合類の種類が急にふえはじめたのは、オランダからの輸入が盛んになった叩年ほど前からのことである。それまで晩秋から早春までの聞は鉄砲百合と逝酌和ぐらいしかなかった。日本の自然品種の百合頬は初夏から節感の目安になっていた。装飾的な効果を求めて作り出された巨大なカサプランカは私達日本のいけばな人が本当に求めていた百合であったのかどうか。⑤では日本原産の鉄砲百合に、秋も深まった頃に咲く小菊をあしらっ5

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