テキスト1996
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’刀しさ。群生しているときの姿や背景の記憶、文学や美術に出てくる杜若も頭のどこかにしまいこまれている。それらが総合されて好みの度合が決まってくるのだろう。今月の杜若は納LZ戸あLと萩をとり合わせて秋口の盛花をいけてみた。少し気温も下がってきたので、いけておいても葉の勢いは良く、紫の花色が冴えて見える。その杜若の花にそえたいのは咲き始めたばかりの萩だろう。左の方になびかせていけ、糾芦をつけ加えたのだが、萩のなびいている方向に折れた縞芦をそえると、時折強く吹く秋風の感じられるいけばなになるのではないだろう花村制芦花器赤絵水盤、犯阜市伸、オクロレウカ等の郡和科植物の葉には摘物学上の裏表はなく、両面とも表なのである。ただ一枚の葉には凸面と凹面があって、生花では真から前の方は凸面を手前に向け、真より後は凹面歩主別に向けていける。その万が葉のなびき方が美しいので盛花でもそのように使う。その一例となる盛花である。花材オクロレウカの葉鹿の子百合花器瑠璃色粕水盤剣状葉|両面葉um都社若萩〈7頁の花〉7

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