テキスト1995
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ピンクの熱帯睡蓮花材防相也テキストに使う写真はタ万から夜半にかけてとることが多い。そこで困るのは、日本産の睡蓮である未草は名前通り未の刻(午後二時)に咲いてタ万には閉じてしまうので写真のとれる時間が限られているということである。日本産の未草でなく洋ミリオクラダス花器灰白色紬水盤種の睡蓮で切花として売られている品倍も畳咲引であることが多い。作例に用いたのは夜咲引の熱帯時蓮で濃く鮮やかなピンクの花で淡いグレーの水盤の上で一晩中咲き続け、晩方花弁がすぼみ始め、9時頃完全に閉じてしまった。他の花なら指先で花弁を開いて写真にとることもできるが睡蓮だけはそっは行かない。閉じたり開いたりするのを眺めて楽しむいけばなでもある。10

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