テキスト1995
58/146

「花?器」今年の華道京展は、「花?器」というテ!?だった。花に対する私達日本A/の気持は、根底では大して変化していないとしても、いけばなのスタイル、或は表現はこの半世紀の聞に随分変化してきたよ、つである。いけばなには、花を生かしておくためには水が必要であり、水を入れそこに花を挿すことのできる器、花器が不可欠なものだったのだが、植物以外の素材、寸えは枯物花村が構成上の主材になってくると化器を必要としないいけばなも多く見られるようになってきた。昭和初期から六十年間、変容を重ねつつある新しいいけばなの一面、そして古典的ないけばな観を重視しつつ現代を生きる一面。現在のいけばな展は昔とくらべると非常に多面的である。今年はテーマの主旨に沿って私は徳川時代初期の立花瓶に勺柳を主材にした立花を出品した。これはいけばなの誕生以来現代にまで生き続けている花と器の完成された関係であろ、っ。その対極として和則は磨き上げた真新板に恥酌と真鍛の丸棒を立てた作品を出品していた。真鍛板には{八をあけ、その下に水を入れた器が仕込まれていて木瓜が挿されていた。磨き上げられた真鏡板の表面は立花瓶の水面を思わせるよ、つで占典的椅麗なものは思いきり締麗にノ6 /ヘ

元のページ  ../index.html#58

このブックを見る