テキスト1995
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nrιzeL 枝垂柳菜の花花型草型二種挿花器金線条文深鉢加茂川沿い、そして堀川通の枝荒柳が北山嵐に吹き揺、りされていると、京都の底冷えが一層深々と身に泌みこむ。昨年の幕、ワシントンのポトマック河畔で出逢った枝垂柳も灰色の空の下で寒々とした川風に吹かれていて、ここも底冷えの::::を恕いおこしてしまった。だがこ月の末にもなれば践の墓が土を持ち上げて春を紛い、畑の隅の日溜まりでは菜の花も小さな花がぽつりぽつりと咲き始める。柳の芽も少しはふくらんで来そうな、という季節、私達はその風情をいけてみたくなる。aいけ花は苧節の幽かな徴を繊細に感じとって花にいけ、今日その日を有難く生きていることを知ることなのだろう。、と京都10

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