テキスト1994
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岡山での桑原専慶流展も終ってもう二ヶ月が過ぎた。ふり返ってみると、好成績をおさめたいけばな展だったが、そのためには企画と準備にかなりの手間をかけている。私は常々、流展は会場そのものが、一瓶のいけばなのようでありたいと願っている。多くの流派が集まって行われるいけばな展は文字通り、いけばなの展示会だと云えるが、一つの流派の家元が主催するいけばな展は、それとは全く趣きが異っているのである。出品作の花型、とり合わせも入念に打ち合わされるので会場にはバラエティーはあるが、その底に流れている一つの流儀の特色はは流展をふりかえってみてそして共に良い花材を知ることも忘れてはならない。いけばな展に出品することは、自分のいけばなが、現在どの時点にあるのかを知る良い手がかりにもなる。たとえ先生に手伝ってもらったとしても、白分の好んで選んだ花材がどのようにより美しくいけ上げて行かれるのかを知る又とない大きなチャンスでもある。そして、そのいけばなを故低二日間は手入れし、見つめ続けていなくてはならない。毎週の稽肯とはかなり異った視点を与えられるのである。いけばな展に出品してから急に上達し始めたりするのもこうした理由があるからだろ、っ。4枚で会場構成がおわかりいただけると思、っ。向由花席は赤系統、青系統、茶系統に緑系統の濃淡を背長に使いム口上は花山岡岩模様で統一している。又⑥の古典席は降下をパックにした落ちつきのある花席で、内由花と趣きを変えている。②、③、⑨のボックス席はかなりいけにくかった七に写点、っつりが良くないかもしれないが、山労していけ上げて下さったお蔭で会場を引き立たせることができた。⑤は一万人目の入場者を迎えて花束と記念品をお渡ししているところ。次回には二万人目と期待したいのだが。⑬は和則が家で⑫の玄関花の金属の花を作っているところ。徹夜に近い日が続いた。② ⑬ ① 6

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