テキスト1994
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られていた木のように見えてくる。花器もその感じが濃くなるよ、フに荒らく編んだ木通龍のようなものが良さそつである。花材夏4勺櫨はせットグラス水盤舵予が日本の庶民生活の中での日常雑器になったのはそれほど古いことではなさそ、つである。正倉院にも硝子の器は遺されているが、その頃奈良時代には宝物扱いだった。漸く庶民の目にふれるよ、つになるのは江戸時代になってからのことである。日世紀、江戸末期になると、ガラス器具屋のカタログが見られるようになって日本酒用の倒徳利や猪口まで作られるようになる。だが依然として庶民の日常雑器ではあり得ない高級品だったに違いない。硝子製品が日常に使われるものではなかった故に、夏場に清涼感をもたらす道具として珍重されたのだろ、「ノ。だが大量に安価な硝子製品が造られ、景品にまでかなりよく出来たグラスや小皿がついてくる現在、古い殻を未だにひきずっている人は別として、硝子器具を夏の物と感じている人はあまり居ないようである。でも、やはり硝子のあの透き通った冷たさは夏のいけ花には欲しい感〈3頁の花V臨劃花器カ4

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