テキスト1994
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〈表紙の花〉花材ガーベラ三色花器色ガラス盛花器ガーベラは近頃小輪の方がよく売れるそうである。二、三年前から他の花でもそんな傾向があるらしいがとくにガーベラの小きくなったのが目立ってきた。作例には小輪のガーベラを使っているが、同じ色のガーベラでも大輪を叩輪いけたときの華やかな迫力と、その二倍の小輪を使ったのと較べると小輪の方は繊細で優しい感じにいけ上がる。小輪には小輪の持味があることを考慮に入れて花を選びたい。花材若松花器青竹す筒お鏡餅の左に若松の生花。目まぐるしく変って行く現代の生活の中に、昔からのしきたりに従った変らぬものにかえって新鮮さを感じる。若松の生花もその一つである。花材水仙千両花器煤竹す筒古びた即伽に千両と水仙。新年の花にもよく使われるとり合わせだが、七日を過ぎてもまだ正月気分の残っているうちは、いけ花にもその雰囲気を軽くとどめておきたい。千両と水仙の小品はそんな気持で飾っておく。〈2頁の花〉〈3頁の花〉元Eのお祝の部屋の床の間には、3

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