テキスト1994
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4A,りやもS桜と梅との違いを「桜切る馬鹿梅切らぬ馬鹿」と表現する諺がある。梅は枝を切りつめると花もよく咲き、樹形もよくなるが、桜は枝を切ると、切口から腐って枯死することがあり、又枝を切りつめると樹形も悪くなってしまう。いけ花でも梅は枝を切りつめて強い屈曲をつけて枯淡な味わいを求めるが、桜はのびのびと枝を伸ばし、豊かに花が咲いた所が見所である。春酎のころ、枝もたわわに咲く淡紅の里桜に、水面から立ち上がる杜若の濃紫の花色と葉の鮮緑色は、いけ花の春を代表する配色の一つであろ、フ。(里桜杜若上の写真と左の図解)花型株分け花器小判型陶水盤黒芽柳は、黒い花穂が吹き出す頃からいけ始める。(P7上段写真)枝の面も冬の聞に赤黒く霜で焼けて赤芽柳の枝と同じよ、つな色になる枝ぶりは行季柳を少し太くしたような形で小枝が多い。猫柳類は小枝を切り取って、一本なりの枝を集めてきっちりと束ねて捌きをつけていけ上げ、丁寧に整理された曲線の美しきを見る生花だが、黒芽柳はその独特の色合いの花穂を見せたいので小枝はできるだけ残し、例えば副と胴であれば付図のよ、つに枝ごしらえする。黒芽柳花型副流し花器灰白色粕深鉢0i.ill 、,t\ 6

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