テキスト1994
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の針金の先を丸めて突き刺し蔓にぶら下げる。それからガーベラを加えるが日輪のうち半数は低く正面下部の水際を囲い、残りの5本のガーベラをやや大きくとって背景に浮かび上がらせる。〈2頁の花〉花材ユlチヤリス(アマゾンリアカシアオクロレウカの葉花器トルコプルl耳付水盤アカシアの花をみつめていると、睡気を催しそうな柔かで暖かみのある感触を湛えている。豆科の木だが、一種独特の感じを強めるため、一時葉を全部とっていけていたが、花の傷みが早まるようなので現在は目立ち過ぎる葉だけを切りとっていけている。私達が切り花として花屋で買、フアカシアは銀葉アカシアで、ミモザアカシアとくらべると葉が目立つ種類なので葉をとっていけるという発想が生まれたのかもしれない。とり合わせたユlチャリスはアマゾンリリ!ともよばれる。彼岸花科の南米原産の純白の美しい花で明治時代に日本に渡来して温室栽培されている。葉は光沢のある長楕円形だが葉と一緒に売られていないので、オクロレウカの葉をそえたりする。作例はユlチャリスの臼とアカシアの黄色の単純な配色だが、茎の真直立ち上がるユーチャリスの茎とオクロレウカの葉で作られたすっきりした形と、アカシアの黄色と花器のトルコブルーの配色で繍酒ないけ上がりの盛花である。杜若花器乳白色ガラス鉢四月になると、京都の南部では大輪の海芋が咲き、社若も市内の花屋に出荷されはじめる。桜も咲き終って少し汗ばむこともある四月の下旬になると、社若と白花海芋をとりあわせたいけ花が部屋に飾られているのは清々しくて気分のよいものである。四月の社若はまだ葉が柔かいのでいけておいても萎れることがある。手早くいけることと、残りの葉を大切に残しておいて傷んだらとり変えなければならない。あっさりした盛花だが洛南の季節の風物である。〈3頁の花〉花材海苧3

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