テキスト1994
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貰菊二瓶飾り白色柑花瓶十角形白青磁水盤亦、山川山旦、向島都、秘珠虫、声、犯。稲科の野草に締麗という言葉はあてはまらないが、今年のような厳しい夏を切り抜けて穂を秋風に膨かせているのを見ていると、その姿はやはり美しいと思う。長くてしなやかな葉が大きな弧を描き、少し水気をふくんだ穂が秋の空にのび上がる頃、水辺の社若は背の高い夏の花の実が残っているうちに秋の花が咲き始める。作例の主瓶の薄は二本で真、副。左斜前に聞いた二枚の葉を胴に見立てている。杜若は真に実。副、留に開花、胴に枯花と控には低く沈めた枯花を低く沈めて使っている。薄の根元には武色を明るくそえた。杜若花花器型薄9

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