テキスト1994
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れれかん濃ニι・ゆ紫舟亙に固まれて咲く小さな花の淡〈表紙の花〉花材茄子コスモス花器燃焼花器銘茄子は美しい組物である。茄子紺ともよばれる深い紫色の実、そして茎や葉脈も同じ色に染まっていづ令。紫は、夏の強い日射しの頃には爽やかで涼しげな色合いに見えるし、秋口になってから、ちらっとのぞく残り花の色に李節の変り目になっていることを教えられる。その時季、コスモスが、街の中でも方々の庭先や、通りに出された鉢柏で乱れ咲いている。コスモスは文字通り乱れ咲く花である。柔かい茎は曲がりゃすく、そこから幾筋もの花茎がのび出て、蓄の重みで一E垂れ下がってから又上を向いて花が聞く。それだけにいけにくい花だが、多すぎる細い葉をすかし、開花の近い奮を残していける。花器柿色粕水盤虫狩という植物名は、虫食い葉が多いのでたのが説ってムシカリになってしまったのだそうである。従って虫狩の狩の字は何の意味もなさない当て字〈2頁の花〉花材釦矧・追憶総勝二色(紫・淡紫)「虫食われ」とよばれていなのである。なお、長野、愛知、岐阜の三県では虫狩と煎必(鎌時実)の二胞の町民科の他に、氏の木科の山rあわの三種を共に虫狩とよんでいるそうであづ令。それから虫狩の別名をオオカメノキと云うが、オオカメは狼のことで、この木が狼の出そうな深い山の中に生育しているからではないかと思っている。名称の説明が長くなってしまったが、秋山の中で虫狩の実の亦は目立って美しい点景となる。こういう自然の主材にはやはり古くから親しまれてきた秋の和草がよく合う。群がり咲いた淡紫の龍婚の後に濃紫の龍贈を立てて色に調千をつけて虫狩に合わせてみると、静かな秋色が醸し出されたよ、つである。花材釦恥仲間附黄菊花器トルコブルi陶花瓶今月号では蔓梅擬を3頁の投入、6頁の立花の真、裏表紙の生花と三作に使っている。立花と生花には大作用の大枝を使っているが、この投入には一般的な花材としての長梅擬をべ加でいけ上げている。実付きがよいので一ipz−Z所にかたまらないよ−うに上下左右にひろげて蔓物花材ののびやかさを出す。とり合わせは実の色に合わせて少量選ぶ。〈3頁の花〉ジ2

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