テキスト1994
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椿A「町司司AV勾智司(つくばね)花材衝羽根花器青竹筒羽予好きの音、というのも良いものだった。あたりが今よりもっと静かなので澄λだ音が響いてきた。羽子突きの羽子は締麗な小鳥の羽でできていて先に黒い玉がついていた。その玉が無む患くろ子仁の実だったということを覚えておられる方もあるだろう。暫らく羽子を手にとって見ていないが、今でも無患子の実を使っているのだろうか。ルウ午ド杭も美しいものである。飾っておくのに作られた上等な押絵の羽子板でなくても、女の子の好きな絵が手慣れた筆捌きで描かれていた。そして板と無患子の実のぶつかり合う音が元日の御祝いのすんだ頃、快く聞こえてきた。作例に使った衝羽根の木は高さ一|二れの落葉性の小低木で、その実がご覧のように羽子突きの羽子そっくりである。晩秋に実のなった頃にとっておいてお正月の花の一つにいける。四枚ついている羽はとれやすいので手荒くは扱えない。この作例のような枝数でなく、少量を使って、佑わびす助け椿のような小輪の花をそえた小品を玄関の掛花にすれば年賀の来客へのもてなしとなる。リホ月民μ6

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