テキスト1993
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一九八八年に「E花昨勢舵出版三百年記念立花展」を嵐山の嵐平で開催して以来、私達のいけ花展の会場を京都のセンチュリlホテルや合救の新渓問、そして今年の名古屋支部展の東山荘を選び、六月には家元一品在軒で聞いている。それまでは百貨店や産業会館・朝日会館を使ってデザインにかなりの手聞をかけて会場作りをしていた。だが本当に納得の行く会場にしようと忠、えば細部まで本物を使わなければならなくなってしまう。ベニヤ板に紙を貼ってもそれは一時の仮の場なのかもしれない。そう考えるようになれば、只の空間を借りて一刻の仮の場を作るよりも、そのまま実生活の営める住居、或はそれに近い場所に花をいけた方がょいということになる。ところがそのような場所は中々見付からない。質の良い建物で管理が行き届いていてかなりの広さも必要である。京都には優れた社寺建築も多いし現代建築の良いものも少しふえたようだが私達の生活感覚を育てて来た町栄建築は年を追うごとに減って行く。私の家も大分傷んできたので修復して町家らしさをとり戻した。そこにいけてみたい花を基調にして先を考えてみたいと思っている。いけばな展の会場3

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