テキスト1993
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すりガラス〈2頁の花〉〈3頁の花〉花材釣鐘鉄線猿取茨(山崎来)カラジュlム花器ガラス花瓶初夏は鉄総類の美しい季節なので色々集めていけてみた。この頁の鉄線は釣鐘鉄線という名で売られていた。五弁の花が一輪まじっているが普通四弁の濃紫色である。抜取茨は四月の下旬に花が咲き、六、七月には青い山内除のような淡緑色の実がふくらむ。そして八月の末、秋風をひそかに感じる頃、子供の頬、のように、ぽっと淡紅がさし、徐々に色を深め、濃紅に完熟するまでの半年の問、折にふれ、季節を報らせる花材である。釣鐘鉄線、猿取茨にようやく葉のしっかりし始めたカラジュiムをそえ、無色で摺硝子の扇平な花瓶をとり合わせてみると、この清涼感は初夏そのものなのかもしれない。表紙の鉄線の使い方と感じを変えてのびのびと蔓を見せたい。花材誤記(カンパニュラ)釣鐘鉄線花器煤竹三窓筒蛍袋は野山でごく普通に自生している野草だがその名前が好ましい。装飾的な華やかさに加えて野趣も感じられるので多用したい花である。3

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