テキスト1993
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聞香はご存知のようにフェンネルとよばれる料理用の香料植物であり古くから薬用にも使われていた。日本でも平安時代にはすでに知られており、江戸時代には各地で薬用柄物として栽培されていて、和漢薬に混入されていたがその花になじみはなかった。いけ花に使われるようになったのは近年になってからのことだが現在では殆ど一年中手に人る花材である。だが茎がしっかりして傘状の花序のしっかりするのはやはり春になってからである。作例では屈曲した茎のやや固い線を見せたいので高く立ち上がらせているが、小品花以外ではこれぐらいの高さがほしい。曲香の花の自然開花期は五j七月なので、これから花序が大きく、茎のしっかりしたものが出まわりはじめる。花は女’h郎r,ぇ花Lに似ているが和風のとり合わせよりも、洋花の方が似合う花材である。作例には荷香の黄緑色と対照的なトルコ結梗の濃紫色をとり合わせたが、その二色を白いカーネーションで区切って全体の配色をやわらげている。花材菌香花器箇香トト/レノレカココ|フ桔ネjレJ更|深紫ョ鉢)ン8

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