テキスト1993
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第三係郵便物認可桑原導度流いけばなテキスト湖号1993年4月1日発行(毎月1回l日発行)桑原尊慶流家元発行花材赤キャベツ花器春慶塗丸盆私達の毎日の暮らしの中で使っている食料の中には、改めて見つめると随分美しい自然の賜物が沢山目につく。それらの美しさを美術でとりあげるようになったのは何時頃なのだろうか。原始時代の洞碕絵画にも狩の獲物が描かれている。エジプトの神殿の壁画にも烏や魚に支や果物の豊かさが丹念に描きこまれている。それらの美的な表現はそこまで辿れるのかもしれないが、近世から現代にかけての静物画に表現されている野菜矧や果物、そしてよく一緒に描きこまれている鳥や魚の絵とはかなり極が呉っている。日本で野菜頬その物が画題としてとリあげられるようになったのは江戸時代の文人画、魚を自の前に置いてしっかり見つめて美しく描き上げるようになったのも博物両の盛んになった江戸時代からのことだろう。文人両は文人的配慨をいけ花に持ちこんだが、ありふれた物の美しさ、その価値を私達に改めて感じさせた。だがその盛物も時がたつと重厚ばかりが目立って、ありふれたものをそのままの美しさで見る下が忘れかけているように思う。もっと気楽に間閉め美しさを再認識したい暮らしの中からガーベラ根付定価五OO円J\、;ζ朔?

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