テキスト1993
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たず少し変調にいけた星斑葉蘭十七葉である。葉蘭には無地の他に数種の斑入品種があるが作例の星斑葉蘭は全面に向点が散っており、無地のものより幅が狭い。この作例では留側の花引を少し変えてみたのだが総囲の2枚のっちOの葉面を胴にそって立ち上がらせてから葉先を右に振った背の高い総囲で、その下に⑫の虫喰い葉をそえた。花型十七葉副流し花器焼締横長深鉢そして⑪の葉先と⑬の搾が前後で平行に立てて花型に特徴をもたせている。役枝の名称は図解の番号のようになっている。②点岡③見越と④見越の沈み⑤耐と⑥⑦副の沈み③胴と③⑬胴の沈み⑫総固と⑪総囲の沈み⑬留と⑬留の沈み⑬控と⑬⑫控の沈み①真今年は御水取の終わった三月の半ばに突然不意を衝かれた様に雪が降雪が降った桑原はな一山中3というとチ供の頃、それは一日り出し、とても鷺きました。世間では卒業式だとか新入社員を受け入れる準備だとか、くも桜の花弁が舞い散っている風景とは裏腹に美しい粉雪が深い灰色の杢から地上に降りて来ました。来しい日、というイメージがいっぱい詰まっていました。朝起きるとなんだかやけにカーテンの外が明るく静かで、いつもの通学時間よりずっと早く家を出て長靴をキユツキユツと鳴らして一緒にパスに乗る友達に「あれは私の足跡ゃからあそこを一番に歩いたんは私なんやで口と、訳の分からない自慢ごっこをしたりしました。学校に若いても、古の日だからといって段業が無くなる事はあり得ないので、休み時間まで雪が溶けずに残っているかどうか心配し、悪友たちとこそこそ休み時間に新しい雪遊びの相談に夢中でした。そんな私が大きくなった今でも雪が降った日の朝はなんとなくそわそわし、外へ出て古がどうなっているか見たくなるのは、雪が降るのが珍しい京都の人聞の心情なのだと思います。そんな時、うちの猫は私を横目にストーブの前で寝ています。しかし考えてみれば雪の日の他にも私の好きな楽しい日が一年に何回か、というよりいつもと追う日は皆好きなのです。コマーシャルでは早九月の台風で大雨の日は鴨川にとんで行きます。土色の凄い渦巻に目を廻して川蹴に跳ね飛ばされた小魚がピョコピョコ腕いています。可哀そうだとは思うのですが、いつまでも見ていてしまうのです。いつもは偲やかに流れる透明な水が北山の土の色に変身して、伏見の方に向かって龍のようにうねりながら下って行くのを見ているだけで面白くて仕方がないのです。自の前で橋でも落ちないかなと思いながら。又、梅雨明けに鳴る威勢のいい雷。これは、何回聞いてもいいものです。ピカッと光った後、どれ位大きい音がくるのか期待で胸がワクワクします。光の後五秒後ぐらいにバリツパリッノと音がして最後にドコデンデンデングと低音で締め括られた時などは、すごく気持ちが良いので家中で拍手が沸起ります。それもこれもきっと自分の家に被害が及んでいないからそんなに気楽でいられるのかもしれませんが、楽しいものは楽しいと素直に表現している時自然の中に安住している自分を実感する事が出来ます。自然のちょっとした変化、それに京都では古い年中行事が加わります。毎年同じことを繰り返しているように端酌には肥るでしょうが、それにき携わる人々の気持は成長したりその反対のこともあって京都の真中に住んでいるのは中々面白いのです。③\ //① 星ピ斑i・葉蘭5

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