テキスト1993
43/145

〈表紙の花〉花材アマリリス(浪赤色・ヴァニラの葉(蘭科ヴァニラ属の香料植物)花器練込手角瓶濃赤色のアマリリスをロ輪まとめて挿し、その下に純白のアマリリスをそえると上のアマリリスの色に暗さと重足感が増して一層強い色彩の塊まりになる。ヴァニラの明るく厚みのある紘がこの紅白のとり合わせに生き生きした生命感を与えている。〈2頁上の花〉花材舞茸・苔木・董・貝母食用茸としては一級品の舞茸。苔木の上にのせると何となくそこから生えたように見える。四年前にも一度使ったが同じ仲間の主芝(高年立)より物々しくなくていい。春先の野草、し品のあるいけ花となる。〈2頁下の花〉花材道弘雪柳黄色の花木の中で、私の最も好きな花は連諸かもしれない。葉をひろげる前に細長い枝に小さな蝶のような花がびっしり連なると枝がしなやかに協む。だがあまりにも明る過ぎるその花の群がりに、をそえると、自の怯むような黄色の連麹の花色が柔らぐ。のびのびと枝を八万にひろげていけたい陽春のとり合わせである。花材ガーベラ(根付き)赤キャベツ花器摺漆塗盆静物画風、といっても洋画的でも日本画的でもなく、現代の、ごくありふれた暮らしの周辺を、いけ花として捕いてみた{丞怪人的盛物である。花器淡青色磁器水盤花器淡青色軸花瓶〈3頁の花〉藍に貝母をそえると親しみゃすく、少更に明るく真白な雪柳草一)3

元のページ  ../index.html#43

このブックを見る