テキスト1993
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重いけ花器煤竹二重切筒桜の故郷はヒマラヤ山地かもしれないという。大古日本と地続きだったユーラシア大陸を五千粁も東へ生息地を拡げて行くのに一体何百万年かかったのだろ、っ。もしそうだとすれば雲南の黄色い椿は、日本から人類の誕生以前に旅して行きついて色が変ってしまったのだろうか。桜の故郷がヒマラヤ山地だとしてもその子孫は故郷よりも日本で繁栄し大家族となって日本を代表する花木となっている。人類文明の発生以前の柄物の移動拡散は中々っきとめられるものではなさそうだが、日本へ人が運びこんだとされる渡来植物の中のかなりの種類はもともと日本に自生していたものもあるのだろう。桜と椿という日本の花木とされている花をいけていても、花は私達には未知な計りしれない歳月を重ねて一輪の花を咲かせているのである。見つめる程に奥の深きを感じる。留z奈生椿7

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