テキスト1992
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ムさや伽俳車はどこが美しいという程のものでもない野草だが時々いけてみょうかなと思わせる。日当りの良い荒地や山路の端で、2灯ぐらいに育つので割合い人目をひく植物である。作例に使ったのは、まだ花茎が伸び上がる前の竹似草で、八月には大きく育って円錐状に小さな花が咲き秋になると平たい実爽が房のように小枝にぶらさがる。実英が風に揺れると、きらきらと音を立てるので瞬き草という名でよぶ地方もある。種属としては嬰粟科の竹似草属に分類されているが、日本と中国に二種があるだけで私達は雑草扱いしているが、ヨーロッパに渡った竹似草は庭園植物として栽培されている。作例には開花前の低くて葉もまだ大きくないものを使っているが、開花した頃や、実ができてからは背が高過ぎるので花茎は適当な長きに切って直立きせ、下部の葉付きの茎を前にそえていけ合わせる。この作例では十輪の鉄線をアクセントとして竹似草をそえているのでその特徴をはっきり出していないが秋には実と葉を充分生かしたい。花材鉄線(紫叩輪淡紅2輪)竹似草花器青磁花瓶竹似草8

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