テキスト1992
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手許の花第三種郵便物認可桑原専座流いけばなテキストもとててグロリオーサ小品花は私達の身の回り‘居間の食卓や用簸笥、書斎の本棚の上とかいわば手許のいけ花と云ってもよいだろう。身近に置かれているので意識しないでも目に入るいけ花であり‘意識すれば仔細に見詰めてしまういけ花でもある。いけ終えて飾ったその瞬間から‘花は自分と一緒に時を過ごして行く。そこで求められる条件の一っとして自然の息吹きが感じられること。刻々と色、形の変って行く花の横に居ると‘この世に共に生命を授かった者としての親しみか深まるようないけ花であってほしい。次にあまり作意の強く感じられないものか良い。残り花でもよいから自然の一部か何気なくそこに息衝いているように置かれていれば飽きずに眺め続けていられる。小品花は‘花の見立てにかなりの年李か入ると自然にうまくなるものである。そのためには平常の稽古で細部まで丹念にいけ上げるよう気を配りたい。そしていけた花は毎朝水をかえ、切口を新しくして、その命を終えるまで大切に見守りたい。花材板屋楓花器白金彩陶花瓶定価五00円t,^す、ンと349号1992年7月1日発行(I母月1回1日発行)桑原専疫流家元発行

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