テキスト1992
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竹島百合は五月下旬から七月上旬にかけて咲く白合で、花色は黄櫨色。草丈は八Oi一七Oであって輪生葉が二、二一段っき、その上下に散生葉がつく。(図解参照)その出生の姿を写しとるように、生花では輪生葉の段を揃えていける。竹島百合白菊二種挿行型花器煤竹寸筒作例では、真、内副、真囲の輪生葉の高さを上段で揃え、下段では副と胴の輪生葉の高さを揃えている。輪生葉を二段見せるためには切花で長さ初日〆以上の竹島百合が必要で草花の生花としては背の高いいけ上がりになる。そして一種挿しより二種挿しの方がよく、作例の白菊のような花材がとりあわせとして品が良いだろう。日本の自生向の百合はヨーロッパで改変された品種と異って開花の季節は一定していて竹島百合をいけられる期間は短い。出生を生かして自然と共にあることを感じとりたい。9

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