テキスト1992
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鉄砲百合花器淡緑軸コンポートハ月になると、路地栽培の鉄砲百合が多凶4単に出まわってくる。その中でも一輪咲の鉄砲百合は茎も適度に湾曲し、葉もよくしまっていて、草花の生花の稽古には好適な花村である。作例は中級者向きに鉄砲百合6本を①真②真囲花刑行刑九枝⑤副⑤二種挿③内副④見越胴と挿し、留側には引を⑦総岡③留⑨控と合計九校を挿した行型の生花である。鉄砲百合に限らず、草花類は自分の思っているような形に携めることができない。そこが草花の生花の難しきで、「草花生花の上手が生花の上手」といわれている。鉄砲百合はそれぞれの僅かな曲線を利用して、その曲がりを最大限に牧かしながら花の向きも考え合わせて各役枝にふり分ける。前はあまり水揚げの良くない花材なのでこれも花自体の曲線を利用しなければならない。作例には二本の引のっち一本を上下にとり分け、上部を総固に、下部の奮二輪をつけた分かれ枝を留にふり分けている。いずれも季節の花材である。繭28

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