テキスト1992
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も〈せい木犀科には芳香性によって愛される植物として木犀属の金木犀、銀木犀が晩秋の清澄さの中で香り、ヨーロッパでは芳香の漂う「リラの花咲く頃」が一年中で最もすばらしい季節となる。中国では泰智属(ジャスミン属)のジャスミンの花を茶に入れて一年を通じて香りを楽しむ。ライラックは空気の乾いた涼しい土地を好むので関西では育ちにくいと云われているが、京都の郊外でも時々大きく育ったライラックが沢山花を咲かせているのを見かける。ヨーロッパでは切花として栽培され日本にもオランダから入荷している。これは苗木を温室で促成栽培したもので1μほどの真直ぐな枝の先に綿菓子をくっつけたようでいけ花向きの切花とは云えない。作例に使ったのは大きく生長したライラックの中ぐらいの一枝で淡紅紫色の花がいくつもの房になって咲いている。小枝の先に房状に咲く決伍]の花なので、かためていけると春らしい甘い香りが漂ってこの花がより美しく感じられる。鉄砲百合の白きでライラックの花色をひき立てる。花材ライラック鉄砲百合花器角型トルコブルl花瓶ライラック(リラ)4

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