テキスト1992
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そめいひなげし〈表紙の花〉桜の品種は二百五十種以上、細かく分ければもっと多くなるそうだが野生の桜を元にして作り出された閤芸品種全体を里桜とよんでおり、花が大きい上に八重咲、房咲きが多く派手な桜である。花材としての里桜の特徴は、花がかたまって大きく咲くのと、他の桜より枝が太い。そしてその太い枝はかなりの老木でないと単調な枝に花のかたまりが所々に咲いているだけで華麗な山桜や染井吉野のような桜らしきを表現するのは難しい。従って普通の大ききの桜の自由花では厚く咲いた花色の華やかさを生かせるような色彩の花をとり合わせ、陽春の明るさを感じきせたい。作例では枝を少し切りつめ、花付の多い部分を集めて桜の花色を強めて淡紫のクレマチスをそえている。桜にはまだ緑の葉が出ていないのでクレマチスの葉をできるだけ多く使った。花材里桜クレマチス(鉄線)花器焼締め一周壷むさ苦しい毛皮のような花被がほころぴると、目覚めるように色鮮かな花弁が聞くのがポピ|一族である。そして実から阿片をとる種類の器粟(ポピl)以外は美しい花として世界中で自由に栽培されている。真赤な雛嬰粟はヨーロッパの麦畑八2頁の花〉2

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