テキスト1992
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人ひと手でか蔓ず今を挿しそえた爽やかな一作でいけると、この花独特の強い熱気のようなものを感じる。それは熱帯の花であり、花弁が焔のような形をしているからなのだろうがグロリオーサの使い方として、私の好きな一例である。花材グロリオlサ(赤・黄)花器線条文嬬焼角瓶青いガラス鉢に、白とグリーンの海芋、そこにピンクのアマリリスとこれも3頁の花材と同様に熱帯系の花で、海芋は南アフリカ、アマリリスは南アメリカ、人ひと手でか蔓44(セロウム)はブラジルが原産地である。熱帯植物をいける場合、梅と胡蝶眠、松とストレリチアのとりあわせのよ、つに日本的な花材とも調和し、永年の間見慣れてきたが、又4頁のように熱帯系植物ばかり合わせていけることも多い。熱帯系の植物ばかりとりあわせたいけ花は植物園の温室の中みたいで大して良いものではないという意見もあるが、そっとも云いきれない。この頁の海芋、アマリリス、人手蔓というとり合わせも、青いガラスの花器を選ぶことによって、身近になった世界各地の自然を想い起こさせる親しみ深いいけ花であると云えるのではないかと思う。三光松〈4頁の花〉γ。。ゑ4

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