テキスト1992
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ふLこ2八表紙の花>いつか読んだニューオーリンズ(m記rh南部ルイを.背/景アにナし)た小説に‘亡くなった娘の葬儀の日、その娘か子供の頃植えたマグノリア(木蓮)か満開になっているのに気付いた父親の気持を描いた一節かあった。心に残る数行だったかマグノリアはルイジアナ州の隣、ミシシッピー州のことを別名マグノリア・ステイトというそうでアメリカも木蓮の原産国の―つである。日本の白木蓮や紫木蓮は中国から渡来したものだか、花か大きく派手なので日本原産の辛夷より庭園樹としては多く植えられている。白木蓮は10Mを越す大木になり‘一斉に大輪の花が咲くので満開時は枝や幹も見えないくらいで、その姿は遠くからでもよく目立つ。だが遠目で見る白木蓮も古木でないと花付きもまばらで若木の枝は真直でいけ花的な雅味に乏しい。稽古に使う木蓮は若枝か多いが、若枝はその素直に伸びた姿を生かすよう少し大きくいけ‘花のついていない小枝も景色として残し配色の良い花を副材として強くきかせたい。作例は花付きの多い白木蓮の古木を大きくいけているか強い紅色の椿を白木蓮の色と対照させ濃緑色の椿の葉を多量にそえて落ちつかせた。花材白木蓮紅梅花器銹釉扁壷

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