テキスト1992
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すすだけか会えつつべにつぱき蹄燭・淡紅椿じうすみ留花型副流し花器煤竹鼎底冷えの日、凍てつくような寒きで黄ばんだ蹄聞に、ほんのりと淡紅色に咲いた椿を挿しそえていると、厳しい冬の日にも、こんな優しい自然があるのだと、しみじみといけ上がった姿に見入ってしまう。だ松葉の風情が書かれている。その冬松をおもしろしと表現し、うつくしとは書いていない。松一色の立花は厳冬の松の姿をただ素直に写しとるものである。黄ばんだ松は緑の松より美しくはないかもしれない。だがその冬の松に何かを深く感じきせられるもの、それが日本の花道で古来云われてきた「草木の風輿」ということなのだろう。寒気に変色した蹴聞の風興は松のそれより深くないかもしれないが床の間に飾っておきたい一瓶である。2リ止A,花かい時ま勢よ粧うすLがたにひもさ的氷雨に黄ばん9

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