テキスト1992
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けいけんひばりすみかヲ令。人類の主要絞嚇は麦と稲だが、麦ストレリチアい句。。先年ドイツの地方都市でいけばな各地の民族の交流と共に分布は広がり人びとの生命を支えてきた。従って麦に関した神話や伝説も様々な形で世界各地の民族に残きれて展を聞いたが、その会場で収穫感謝祭が行われ、私達も参加した。現代のドイツでも収穫感謝祭には、中世以後のキリスト教的な形式の中に、古代ゲルマン民族の風習の合残りも見られるそうでかなり敬慶な気持でその日を迎えているようであ畠と稲の水田では相当イメージが異なっている。麦畠は乾燥していてカラッと明るい。私達が麦にそんな感じを抱いている。作例には麦に雲雀より色鮮かな極楽鳥花をとりあわせ、若々しい緑の葉の上に咲いた菜の花をそえると暖かく晴れた春の空が思い浮かんでくる。麦は穂の先まで緑の鮮やかなものを選び、菜の花は中ぐらいの茎の太きで短かく用い、葉はよく水のあがっているものを使う。ストレリチアは麦の前に低く挿すと色も美しく見え、姿も良い。花器花材麦ストレリチア菜の花黄線模様コンポート》わlνい。人類は、その祖先の誕生以来樹上で、或は樹下で緑に固まれて生活を営んできた。そして緑の中を{存圧の棲処として暮らしてきた肱ガな年月のうちに、芽生えて花が咲き、実が生って落葉して行く植物の周期を知り、ための知慧を少しずつ蓄積し続けてきたのだが、原猿類が地球上に現われたのは七千万年前だと云われている。そして人類と云えそうな生物へと進化したのが百万年か二百万年前このような生活の歴史にくらべれば猿が人間になって文明が生まれ、村落が集まって国ができて都市が作られるようになったのは、ほんの最近のことで、現代につながる人間としての歴史はたった一万年ぐらいのものである。人類は木からおりた猿などと云、つが、木からおりた猿は都市生活を営むようになって周囲の緑から離れて暮らしはじめると、何となく居心地が悪いらしく、家の周囲に庭を作って木を植えるようになったが、それでもまだ足りず、動物で云えば巣の中とも云える、家の中にまで緑を持ちこもうとするようになった。その一つの形態がいけ花なのではないかと思っている。その点、日本のいけ花の植物に対観葉植物生きる6

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