テキスト1992
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第三種郵便物認可桑原専慶流いけばなテキスト343号1992年1月1日発行(毎月1回1日発行)桑原専慶流家元発行定価五00円作例に使った大角豆のような豆は黄色の花の咲く「アンデスの乙女」という木の実だそうである。多分豆科の植物だろうと思うのだが、豆科は種子植物の中では‘菊科、蘭科につぐ大きな科で、一族を合わせると約六百属、一万三千種もある大家族である。食用になる豆の殆どは蔓草だが、木本性の豆も多い。いけ花によく使われる金雀枝、アカシア、藤、の他に大木の阜英や糸のような赤い雄蕊の美しい』蜘ね等がある。この頁の作例には‘この秋日本で実を結んだ椅の赤い実と、地球の裏側で同じ季節に稔った「アンデスの乙女」の実をいけ合わせてみた。遠く離れた国の季節の赤い実と緑色の豆か花器の上で、それぞれの表情を浮かべながらうまく調和している。この二種類の実物には大綸の白い花が良さそうである。そして茎に緑の葉の豊かなものとしてオランダ産の白百合をそえたが、緑の豆から白百合、花瓶の白緑色への流れの中に赤く輝く椅の実が初冬の部屋の中にくっきり暖かく浮かび上がっている。重量の配分に気をつけていけたい。花材白百合アンデスの乙女の実花器白緑釉花瓶えにしさいかち:gn・いいぎり椅い4の実Lペいおだささげ赤い実と緑の豆

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