テキスト1992
134/140

花路煤竹寸筒留流し行李柳はコリヤナギとも発音し、漢字ではもう一つ耐とも書き荷造りすることを梱包とも一五う。行学は使者の意味で、転じて旅行の荷物、そして旅には柳で編んだ長方形の藍付の箆が常用されたのでそれを行李とよぶようになった。行李柳は枝が枝垂れず上にのびる猫柳の一種で、細くしなやかなので校捌きの糟占に適した花村である。いける季節は晩秋から初冬にかけて、まだ緑葉が散らない頃には梢の葉を二、三枚残し分かれ枝は整理して一本にしていける。生花には数活けといって行李柳等の細枝を百本以上いけることがあり、完全に捌ききられた姿は技巧的には立派だが内然感はうすれてしまう。それよりもぬ本ぐらいまでの行李柳に怖や水仙をそえる方が上品でもあり、この花村の持味がより美しく生きるようである。行李柳のあと赤芽柳等、細技の生花材料が続く。行李柳イE型4

元のページ  ../index.html#134

このブックを見る