テキスト1992
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−iノ,4lbkH山山寒菊は日本と中国に分布する原種の菊の一つで黄色の小きい花が咲く。実菊は十一月の下旬、小さな葉が美しく紅葉するひところ花屋に少量出まわる。待ちかねたよ、つに稽古にも使、つが上品な野趣と清浄な香りに惹かれる花である。そして純日本的な野草に近い花でありながら、普一伽やカーネーション等の洋花ともよく合う。花が小さく、おも低いので主材とするのには無理なので副材に寒菊をとりあわせることによって季節感はますます深くなる。作例にはカーネーション五本、水仙三本の裾すそに寒菊を挿しているが、寒菊は普通の小菊とちがって横向きの枝から上に曲がって伸びた小枝の形が良いので横姿も見せたい。左斜前に出た枝がその一例である。カーネーションは高きを一本ずつ変えて立て、水仙は花をカーネーションと同じぐらいの高低をつけ、葉は花より高く挿すが、生花のようにきっちりと葉組せず、あるがままの自然な感じをもたせる。最後に残った寒菊をカーネーションと水仙の後に挿し、奥行をつける。花材カーネーション(赤)寒菊花器横長方型コンポート寒菊の香8

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